手書き感って何だろう?

手書きの文字をベースにしたfontを2025年1月に制作して公開いたしました。
制作している際に考えたことをまとめてました。
まず、手書きの文字をスキャンして、illustratorでパスに変換してfont制作アプリケーション「glyphs mini」に文字を入れてみました。
そこで感じたのが、書いたままでは、高さが揃っていない!ということでした。
glyphs miniで高さを調整したものが、初期バージョンです。

MUPOS handscript

初期バージョン

「やっとできた。」と思ったのですが、試しに使ってみると全然だめなんです。
文章を打ってみて気になったのは、文字の傾きが右に傾いていたり、左に傾いていたりと統一感がないことでした。 右に傾いた文字と、左に傾いた文字が隣り合わせになると変な空間ができてしまう。
高さを数値で揃えると、小さく見える文字がある。線の歪みが、それぞれ違う。これは、どうしたらいいんだろう? 

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

考えた結果、下記のように統一することにしました。

  1. 線のガタつきは、綺麗にする。
  2. 縦の線は太く横の線は細い綺麗な線にする。
  3. 傾きを統一する。
  4. 手書きの書き順に準拠して、線と線のつなぎ目で、手書き感を表現する。

修正の結果下記のようなfontになりました。

The quick brown fox jumps over the lazy dog.

どうでしょうか。手書き感を残しつつ、読みやすいfontになったように思います。”O”の上部の繋ぎ目や下の細い線の形状が特徴的なfontになりました。

私の場合、どのようなデザインにしたら良いか迷ったら、手を動かして何度も書いてみます。その際に、一文字1文字書くのではなく、いろんな単語を書いていると、そのうち考えがまとまるとことが多いです。
あと使用目的やコンセプトをはっきりと決めておけば、考えが早くまとまりやすいです。

MUPOS handscript
https://txdx.booth.pm/items/6352130

fox

初期バージョン

fox

完成バージョン

約19年前に思いついたことをカタチにしました。

mupos 手書きのfont MUPOS handscript

2006年ごろ(約19年前)、私はデザイナーとして会社勤めをしていて、パンフレットやチラシ、パッケージ、ラベルなどの印刷物の制作を担当していました。その頃からfontが好きで、「いつか自分でも作ってみたい。そうだ!独立して時間ができたら作ってみよう」と考えていました。
独立して、フリーランスのデザイナーになると、幸いにも多くの方から仕事を任せていただき、なかなか纏まった時間がとれず、font制作が進みません。仕事の内容も印刷物がメインだったのが、ウェブサイトの制作が増えてきて、それに関連することについて勉強をする時間が増えてきました。その内、font制作のことは、忘れていました。
昨年の10月ごろ、Xのポストで素敵なfontを制作されている方をみて、font制作を再開しました。今度は、毎日時間を決めて、少しづつ作ることにしました。デザインは、太いマーカーで書いた手書きの文字をベースに制作しました。全ての文字を作成して、テストとして単語を入力してみるとfontの統一感がない、特定の文字だけ黒い。なぜか太く見える。と気になることが続出。font制作って大変なんだということを痛感しました。今まで考えたことがなかったけどfontデザイナーさん、ありがとう!と思いました。
統一感を出そうとすると、手書き感がどんどん損なわれてしまう。本当にこれで良いのかと悩みながら修正を行い、やっと完成しました。BOOTHというサイトで公開しましたので、ぜひ使ってみてください。

MUPOS handscript
https://txdx.booth.pm/items/6352130